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Japanese Living Bible Old Testament 1 Kings
王国衰亡記 上(列王記Ⅰ)
本書は、ダビデの死で始まり、神殿建設を含むソロモンの治世を描いています。 さらに、
国が北王国イスラエルと南王国ユダに分裂したことに触れ、エリヤとイスラエル王アハブ
との華々しい闘いで終わっています。 エリヤとアハブの争いは、神様が人間生活に直接
介入し、人間に関心をはらっておられることを教えるとともに、社会悪が国民の霊的生活
に悲惨な結果をまねくことを物語っています。
1 晩年のダビデ王は寝たきりになりました。 毛布を何枚かけても、体が暖まらないの
です。
2 そこで、側近の者が提案しました。 「若い娘を、お世話役のそばめとしてはいかが
でしょう。 添い寝をさせて、お体を暖めさせるのです。」
34さっそく、国中くまなく捜して、いちばん美しい娘を見つけ出すことになりました。
ついにシュネム出身のアビシャグが選ばれ、王のもとへ連れて来られました。 王を暖め
るため、その腕に抱かれて寝ることになったのです。 しかし、肉体関係はありませんで
した。
5 そのころ、ハギテの子であるアドニヤは、自分こそ老いた父に代わって王位につくべ
きだと考えて、戦車を買い集め、騎兵を雇い、彼の前を走る五十人の近衛兵をそろえまし
た。 6ところで、父のダビデ王は、これまで一度も、彼をたしなめたことがありません
でした。 彼はアブシャロムのすぐ下の弟で、とてもハンサムでした。 7ヨアブ将軍と
祭司エブヤタルに思惑を打ち明けると、二人とも賛成です。 8しかし、祭司ツァドク、
ベナヤ、預言者ナタン、シムイ、レイ、ダビデ軍の勇士たちは、あくまでも王に忠誠を尽
くし、アドニヤに味方するようなことはしませんでした。
9 アドニヤはエン・ロゲルへ行き、蛇の石のそばで、羊、牛、太った子やぎをいけにえ
としてささげました。 それから、即位式の立会人として、兄弟とユダの政府高官を全員
招きました。 10ただし、預言者ナタン、ベナヤ、王の勇士たち、それに、兄弟のうち、
弟ソロモンだけは招きませんでした。
11 預言者ナタンは、ソロモンの母バテ・シェバに会い、こう勧めました。 「ハギテ
の子アドニヤが王になり、しかも、陛下が少しもお気づきでないことを、ご存じですか。
12ご自身と、ご子息ソロモン様の無事を願われるなら、これから申し上げるとおりにな
さってください。 13すぐ陛下のところへ行って、『陛下は私に、ソロモンが次の王にな
る、とお約束になったではありませんか。 それなのに、なぜ、アドニヤが王になってい
るのでしょう』と申し上げるのです。14お話の最中に、私もまいり、訴えが事実である
ことを、王に確認しましょう。」
15 バテ・シェバは、言われたとおり王の寝室へ行きました。 王は非常に年老い、ア
ビシャグが身の回りの世話をしていました。 16バテ・シェバがていねいにおじぎをす
ると、
王は、「何の用か」と尋ねました。
17 「陛下に申し上げます。 陛下は、神様に誓って、わが子ソロモンが次の王になる、
とおっしゃいました。 18それなのに、アドニヤが新しい王になっています。 しかも、
陛下はそれをご存じありません。 19アドニヤは即位を祝って、牛や太った山羊やたく
さんの羊をいけにえとしてささげ、陛下のお子様方ぜんぶと祭司エブヤタル、それにヨア
ブ将軍を招きました。 ただし、ソロモンだけは招かれませんでした。 20今、イスラ
エル中の人が、アドニヤが後継者として選ばれるかどうか、陛下の決定を待っております。
21陛下がはっきり決着をつけてくださらないと、ソロモンも私も、陛下がお亡くなりに
なったとたん、謀反人として捕らえられ、処刑されるに決まっております。」
2223彼女が話しているうちに、側近の者が来て、「預言者ナタン様がお目どおりを願い
出ています」と伝えました。
ナタンは王の前に出ると、うやうやしく一礼し、 24話を切り出しました。 「陛下、
陛下はアドニヤ様を、後継者にお選びになったのでしょうか。 25実はきょう、あの方
は即位を祝って、牛や太った山羊やたくさんの羊をいけにえとしてささげ、陛下のお子様
方を祝賀会に招いたのです。 ヨアブ将軍と祭司エブヤタルも招かれました。 一同はあ
の方の前で飲み食いし、『アドニヤ王、ばんざい!』と叫んだということです。 26しか
し、祭司ツァドク、ベナヤ、ソロモン王子、それに私だけは招かれませんでした。 27
これは、陛下がご承知の上でなされたことでしょうか。 陛下はまだ、お子様のうちどな
たを次の王にするか、仰せではございませんが。」
28 王は、「バテ・シェバをここへ」と命じました。 中座していた彼女は戻って来て、
王の前に立ちました。
29 王は誓いました。 「わしをあらゆる危険から助け出してくださった神様は生きて
おられる。 30いつかイスラエルの神様の前でおまえに誓ったとおり、きょう、おまえ
の子ソロモンを王とし、わしの王座につかせる。」
31 バテ・シェバは、もう一度うやうやしくおじぎをすると、感きわまって叫びました。
「ありがとうございます、陛下。 どうか、末長くおすこやかに!」
32「祭司ツァドクと預言者ナタン、それにベナヤをここへ。」 王は続けて命じました。
三人が前に出ると、 33王はこう指示しました。 「ソロモンとわしの家来とをギホン
へ連れて行け。 ソロモンはわしの雌らばに乗せてな。 34祭司ツァドクと預言者ナタ
ンは、そこでソロモンに油を注ぎ、イスラエルの王とするのだ。 それからラッパを吹き
鳴らし、『ソロモン王、ばんざい!』と叫べ。 35ソロモンが戻りしだい、新しい王とし
て王座につけよう。 わしはソロモンを、イスラエルとユダの王に任命する。」
36 ベナヤは答えました。 「アーメン! 神様をほめたたえます。 37神様が陛下
とともにおられたように、ソロモン様ともおられますように。 ソロモン王を、陛下以上
に偉大な王としてくださいますように!」
38 こうして、祭司ツァドク、預言者ナタン、ベナヤ、王の家来たちは、ソロモンを王
の雌らばに乗せ、ギホンへ行きました。 39ギホンに着くと、ツァドクは天幕から神聖
な油を取り出し、ソロモンの頭に注ぎかけました。 ラッパが吹き鳴らされ、人々はみな、
「ソロモン王、ばんざーい!」と叫びました。
40 それから、一同はソロモンの供をしてエルサレムへ帰りましたが、道中は喜び祝う
歌声で、それはそれはにぎやかでした。 41アドニヤと招待客は、ちょうど食事を終え
たところでした。 何やら外が騒々しいようです。
ヨアブはいぶかしげに尋ねました。 「いったい何事だ。 何の騒ぎだ。」
42 そのことばが終わらないうちに、祭司エブヤタルの子ヨナタンが駆け込んで来たの
で、アドニヤが言いました。
「入れ。 おまえは勇敢な者だから、良い知らせを持って来たに違いない。」
43 「ダビデ王は、ソロモン様が王だと発表しました! 4445しかも、ソロモン様
をご自分の雌らばに乗せ、ギホンへ行かせたのです。 祭司ツァドク、預言者ナタン、そ
れにベナヤが同行し、王の護衛隊が警護にあたりました。 ツァドクとナタンは、ソロモ
ン様の頭に油を注いで、新しい王にしました。 一行が戻ったので、町中が喜びにわきか
えっています。 あの騒がしい物音をお聞きください。 4647ソロモン様はすでに王
座におつきです。 国民はこぞってダビデ王に、『どうか神様が、親しく陛下を祝福してく
ださった以上に、ソロモン様を祝福してくださいますように。 ソロモン王を、陛下以上
に栄えさせてくださいますように!』とお祝いを申し上げています。 王は床についたま
ま、人々の祝福のことばを受けておいでです。 48しかも、『わしが生きているうちに、
息子の一人を選んで、王座につけてくださったイスラエルの神様を、心からほめたたえま
す』と言っておられるとか。」
4950これを聞いて、アドニヤと招待客はびっくり仰天です。 この先どうなるか、わ
かったものではありません。 恐ろしくなって逃げ出しました。 アドニヤは神の天幕に
駆け込み、祭壇の角にしがみつきました。 51アドニヤが聖所に入って、いのち乞いを
していることが報告されると、 52ソロモンは言いました。 「礼儀正しく振る舞うな
ら、危害は加えまい。 しかし、そうでなければ、いのちはない。」 53ソロモン王はア
ドニヤを呼びにやり、祭壇から下ろさせました。彼が来てうやうやしくおじぎをすると、
あっさり赦し、「家へ帰るがよい」と言っただけでした。
1 死期が近いと悟ったダビデ王は、息子ソロモンに次のように言い含めました。
2 「わしはもうすぐ、だれもが行くべき所へ行く。 たくましい、りっぱな後継者にな
ってくれよ。 おまえを信じておるからな。 3神様の教えを守り、いつも神様にお従い
するのだ。 モーセの法律にある戒めの一つ一つを守れ。 そうすれば、どんなことをし
ても、どこへ行っても、祝福される。 4また、正しく歩み、神様に忠誠を尽くすなら、
必ず子孫のだれかがイスラエルの王となり、ダビデ王朝は絶えないという約束を、神様は
果たしてくださる。
5 さあ、よく聞け。 おまえは、ヨアブがわしの二人の将軍、アブネルとアマサを殺し
たことを知っているだろう。 戦いの最中で、しかたなくそうしたと言っておるが、実は
平和な時に起こっているのだ。 6おまえはりこう者だから、どうしたらいいかわかるだ
ろう。 彼を安らかに死なせてはならん。 7しかし、ギルアデ人バルジライの子らには
親切にし、いつも王の食卓で食事をさせてやれ。 彼らは、わしがおまえの兄アブシャロ
ムから逃げた時、親身に世話をしてくれたからな。 8また、バフリム出身のベニヤミン
人、ゲラの子シムイのことを覚えているだろう。 わしがマハナイムに落ちのびた時、わ
しを激しくのろいおった男だ。 それでも、わしを迎えにヨルダン川まで下って来たもの
だから、いのちだけは助ける、と約束してやった。 9だがな、そんな約束はおまえにか
かわりのないことだ。 おまえなら、どうすれば奴を血祭りにあげられるか、わかるだろ
う。」
10 こうしてダビデは死に、エルサレムに葬られました。 11彼は四十年間イスラエ
ルを治めましたが、そのうち七年はヘブロンに、あとの三十三年はエルサレムの宮殿にい
ました。 12ソロモンが父ダビデに代わって王となり、王国はますます栄えたのです。
13 ある日、ハギテの子アドニヤが、王母バテ・シェバに目どおりを願い出ました。
「私を困らせるために、おいでになったのですか」と、バテ・シェバは尋ねました。
「とんでもありません。 14実は、折り入って、お願いがあるのです。」
「いったい何でしょう。」
15「私にとって、今まで何もかもうまくいっていました。 王国は私のものでしたし、
だれもが、次の王になるのは私だと思っていました。 ところが形勢は逆転し、すべては
弟のものとなりました。 そうなることを、神様が望んでおられたからです。 16そこ
で今、ほんのちょっとしたことをお願いしたいのです。 どうか、お聞き届けください。」
「それはまた、どんな願いですか。」
17 「どうか、ソロモン王にお願いしてください。 あなた様のお口添えがあれば、王
は何でもかなえてくださるはずです。 実は、シュネム人アビシャグを妻に欲しいのです。」
18 「わかりました。 お願いしてみましょう。」
19 そこでバテ・シェバは、ソロモン王に頼みに出かけました。 王は彼女が入って行
くと、王座から立ち上がり、深く一礼しました。それから、自分の右に席を設けるように
命じ、彼女をそこに座らせました。
20 「ちょっとしたお願いがあります。 ぜひ、聞き届けてください。」
「母上、どんなことでしょう。 何なりとうかがいましょう。」
21 「あなたの兄アドニヤとアビシャグの結婚を許してほしいのです。」
22 「何ですって? 気でも狂われたのですか。 アビシャグをアドニヤに与えるなん
て、王国を与えたも同然じゃありませんか。 彼は私の兄ですよ。 そんなことをしたら、
彼は祭司エブヤタルやヨアブ将軍と組んで、私を出し抜くに決まっています。」 2324
王は激しく怒りました。 「反逆を企てたアドニヤをこの日のうちにしまつしなかったら、
神様が私を打ち殺してくださるように! 父上の王座を私に与え、約束どおり王国を確立
してくださった神様にかけて、このことを誓っておく。」
25 王から、アドニヤを処刑する役を仰せつかったベナヤは、剣でアドニヤを殺しまし
た。
26 それから王は、祭司エブヤタルに命じました。 「アナトテの実家へ帰れ。 おま
えも殺されて当然だが、今は、そうしたくない。父が王位にあった時、おまえはいつも神
の箱をかつぎ、父と苦難を共にしてきたからだ。」
27 エブヤタルは祭司職から追放されました。 シロでエリの子孫に下った神様の宣告
が、こうして実現したのです。
28 アブシャロムの反乱には加わりませんでしたが、アドニヤの反乱には手を貸したヨ
アブは、アドニヤが殺されたと聞くと、神の天幕に逃げ込み、祭壇の角にしがみつきまし
た。 29報告を受けた王は、ベナヤにヨアブの処刑を命じたのです。
30 ベナヤは天幕に入り、「陛下が、出て来るようにと仰せだ!」と声をかけました。
ヨアブは、「いやだ。 ここで死なせてくれ」と応じません。
ベナヤは帰って、王に指示を仰ぎました。
31 「では、彼が言うとおりにせよ。 祭壇のそばでヨアブを殺し、葬るがよい。 こ
うして、ヨアブの殺人の罪を、私と父の家から取り除くのだ。 32彼よりりっぱな二人
の人を殺した責任は、すべて彼にある。 父上は、イスラエルの最高司令官アブネルと、
ユダの最高司令官アマサの死には、全くかかわりがなかった。 33ヨアブとその子孫は、
この殺人の罪を永久に負わなければならない。 どうか神様が、ダビデとその子孫には、
この二人の死について全く責任がないことを、明らかにしてくださるように。」
34 ベナヤは天幕へ引き返してヨアブを殺し、荒野にある彼の家の近くに葬りました。
35 王はベナヤを最高司令官に任命し、また、ツァドクをエブヤタルに代わる祭司とし
ました。
3637さらに、シムイを呼び寄せて、こう申し渡しました。 「このエルサレムに家を
建てて住み、町の外へは一歩も出るな。 町を出てキデロン川を渡ったら、いのちはない
ものと思え。 それでおまえが死んでも、責任は負わんぞ。」
38 「よくわかりました。 おっしゃるとおりにいたします。」 シムイは、言われたと
おりエルサレムに住みつきました。
39 ところが、それから三年後、シムイの奴隷が二人、ガテの王アキシュのもとへ逃亡
したのです。 そのことを聞くと、 40シムイはすぐろばに鞍をつけ、アキシュ王に会
おうと、ガテへ向かいました。奴隷は見つかり、エルサレムへ連れ戻されました。
41 シムイがエルサレムを離れてガテへ行き、また戻って来たことは、ソロモン王の耳
にも入りました。 42そこで、さっそくシムイを呼び出し、問いただしました。 「神
様にかけて、エルサレムを離れるな、さもないと死ぬことになる、と言っておいたはずだ
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