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Japanese Living Bible James
ヤコブの手紙
この手紙が書かれた当時、大ぜいのユダヤ人が世界各地に散らばっていました。 その中
のクリスチャンにあてて、ヤコブはこの手紙を送ったのです。 彼はエルサレム教会の指
導者で、人々から尊敬されるりっぱな人物でした。 信仰の面でも行ないの面でも、すば
らしい模範を示していた彼が、正しい生活をすることがどんなにたいせつか、キリストを
信じていると言いながら、行ないが伴わなければいかに無意味であるかを、例をあげて具
体的に説明しています。
1神様と主イエス・キリストに仕えているヤコブから、国外にいるユダヤ人のクリスチャ
ンに、ごあいさつ申し上げます。
2愛する皆さん。 あなたがたの人生は、多くの困難と誘惑に満ちていますか。 そうで
あれば、喜びなさい。 3行く道の険しさは、忍耐を養う良いチャンスとなるからです。
4忍耐力を十分に養いなさい。 さまざまな問題が持ち上がった時、そこから逃げ出そう
と、もがいてはいけません。 忍耐力が十分身につけば、完全に成長した、どんなことに
もビクともしない、ねばり強い性格の持ち主になれるでしょう。
5神様が何を望んでおられるか知りたいなら、遠慮なく、直接たずねなさい。 神様は喜
んで教えてくださいます。 願い求める人には、いつでも惜しみなく、あふれるばかりの
知恵を授けてくださるからです。 そのことで、決してとがめ立てはなさいません。 6
ただし、その場合、神様は必ず答えてくださると確信して、願い求めなさい。 疑う心は、
風に波立つ水面のようで、少しの落ち着きもありません。 78そんな状態でなした決心
は、猫の目のように、くるくる変わる不安定なものです。 必ず与えられるという信仰が
なければ、主に何を期待してもむだです。
9クリスチャンの中で、この世で見下されている人は、かえって、そのことを喜びなさい。
主の目からは、高く評価されているからです。 1011また裕福な人は、財産が主にと
っては無一文に等しいことを知って、喜びなさい。 金持ちの一生は、真夏の太陽の下で
色あせ、美しさを失い、ついには枯れてしまう花のように、はかなく過ぎ去ってしまうか
らです。 忙しく飛び回っていても、その働きの完成を見ないうちに死ぬことになるので
す。
12誘惑に負けて悪に走らない人は幸いです。 なぜなら、神様を愛する人に約束された、
いのちの冠を、ほうびにいただけるからです。 13悪事に手を出したくなった時、神様
から誘惑されたなどと、言ってはなりません。 神様が悪事を望まれるはずはありません
し、また、悪事へ誘ったりもなさるわけもないのです。 14人は自分の悪い考えや願い
に引きずられて、誘惑されるのです。 15その悪い考えが悪事へと駆り立て、ついには、
神様から永遠に引き離される、死の刑罰へと追いやるのです。 16ですから、愛する皆
さん、決して道を誤ってはいけません。
17すべて良いもの、完全なものは、光を造られた神様から来るのです。 神様には、わ
ずかの変化もくもりもなく、いつまでも輝いているのです。 18神様は、思いのままに、
真理のことばによって、新しいいのちを与えてくださいました。 こうして私たちは、い
わば、神様の新しい家族の、最初の子供とされたのです。
19愛する皆さん。 人のことばには耳を傾け、口数を少なくし、しかも腹を立てないの
が一番だ、と心得なさい。 20怒りは、神様の標準から、私たちを遠く引き離すからで
す。
21ですから、生活を総点検して、どんな悪をも、すっかり取り除いてしまいなさい。 そ
して、すばらしい神様のことばを受け入れて、謙虚に喜びなさい。 そのことばには、私
たちの心をしっかりとらえ、たましいを救う力があるからです。
22また、聞くだけでなく、神様の教えに従うことも、忘れてはなりません。 聞くだけ
は聞いて、その実、良心を偽った行動をとることなどありませんように。 23聞いただ
けで、実行に移さない人は、鏡に映る顔をながめているようなものです。 24しばらく
して鏡から離れると、自分がどんな表情をしていたか、すっかり忘れてしまいます。 2
5しかし、罪から解放する神様のおきてを一心に見つめて離れない人は、すぐに忘れたり
しないばかりか、その命令を実行します。 神様は、そんな人の行ないに対して、大きな
祝福を与えてくださるのです。
26もし、「私はクリスチャンです」と言いながら、平気で、とげのあることばを口にする
人がいれば、そんな人は自分をあざむいていることになります。 そんな信仰には何の値
打もありません。 27父なる神の目から見て、純粋で欠点のないクリスチャンとは、み
なしごや未亡人の世話をする人のことです。 このような人のたましいこそ、この世で生
活していても悪に染まることなく、いつも神様に対して真実なのです。
1愛する皆さん。 人をえこひいきし、相手が金持ちか貧しいかによって、態度をがらり
と変えながら、どうして臆面もなく、「私は主イエス・キリストを信じています」などと言
えるでしょう。
2たとえば、教会に、りっぱな身なりで高価な金の指輪をはめた金持ちと、みすぼらしい
身なりの貧乏人とが、同時に入って来たとします。 3その時、金持ちには、ちやほやし
て、教会の特等席へ案内し、貧しい人には、「あんたはあそこに立つか、床にでも座るがい
い」と言うなら、どうでしょう。 4そんな態度は、あなたがたのクリスチャンとしての
信仰を、根本から疑わせるものであり、悪い動機にふり回されている証拠です。
5愛する皆さん、よく聞きなさい。 神様は貧しい人を選んで、豊かな信仰を持つ者とし
てくださいました。 天国は、そういう人のものです。 それは、神様を愛する者に約束
された贈り物だからです。 6それなのに、あなたがたは、貧しい人を軽べつしたのです。
あなたがたをひどい目に会わせ、裁判所に訴えるのは、金持ち連中ではありませんか。 7
また、あなたがたが仕える、イエス・キリストの尊い名をあざ笑うのも、彼らだと知って
いるでしょう。
8「自分を愛し、気遣うように、隣人を愛し、親身になって世話をしなさい」という主の
命令を、ほんとうに守っているなら、けっこうなことです。 9しかし、えこひいきして、
金持ちにはおせじを言うなら、主のおきてを破り、罪を犯していることになります。
10神様のおきて全体を、注意深く守っていても、一点ででもつまずけば、全部破った人
と同罪です。 11なぜなら、「他人の妻と結婚してはならない」と言われた神様は、「殺
してはならない」とも要求されるのです。 ですから、ちゃんとした結婚生活を送ってい
ても、だれかを殺せば、それで、おきての全部を破ったことになります。 そして、明ら
かに罪ある者として、神様の前に立たせられます。
12あなたがたは、キリスト様の言いつけを守ったかどうかで、判決を下されるのです。
ですから、よくよく注意してものを考え、行動しなさい。 13思いやりのない人には、
容赦なくさばきが下ります。 しかし、情け深い人は、神様にあわれんでいただけるので
す。
14愛する皆さん。 クリスチャンの信仰を持っていると主張しても、他人を見捨ててい
たら、どうしてその信仰を実証できるでしょう。 そんな信仰では、一人も救えません。
15あなたがたの中に、着る物ばかりか、その日の食べ物にも事欠いている人がいたとし
ます。 16その人に、「それはお困りですね。 でも神様が、祝福してくださいますよ。
暖まって、お腹いっぱい食べてください。 では、さようなら」と言うだけで、実際に何
もしないなら、そんな信仰が何の役に立つでしょう。
17これでわかるように、信仰を持っていると言う人は、それを善行によって証明しなけ
ればなりません。 そうでなければ、信仰は死んだも同然で、全く無用の長物です。
18ある人が、こう言っています。「神様に近づく道は信仰以外にないと主張する人よ。
私はあえて、行ないも同様に重要だと言いたい。 そうでなければ、自分に信仰があるか
ないかを、どうして証明するのか。 しかし私は、私の行ないを見る人々に、私の信仰を
理解させることができる。」
19信じればそれで事足れりと考える人が、まだいるでしょう。 あなたは、神様はただ
一人だと信じていますか。 よろしい。 しかし、覚えておきなさい。 悪魔も、そう信
じて疑わないのです。 そのために、身の毛もよだつ思いで恐れているのです。 20あ
あ、あなたは、なんと愚かであわれな人でしょう。 神様の命令を実行しなければ、「信じ
る」ことなど、全くむだであることを、いつになったら悟るのですか。 良い行ないをし
てはじめて、信仰は本物と言えるのです。
21先祖アブラハムでさえ、その行ないによって、神様の前に正しい者と認められたでは
ありませんか。 彼は、息子イサクを供え物として祭壇にささげよと、神様に命令された
時、いさぎよく従いました。 22アブラハムは、心から神様を信じていたので、どんな
おことばにも、喜んで従ったのです。 こうしてアブラハムの信仰は、実際の行動によっ
て、完全なものと認められました。 23ですから、「アブラハムは神様を信じた。 それ
で神様の目に正しい者と認められた」という旧約聖書のことばどおりとなり、彼は「神の
友」と呼ばれるまでになったのです。 24このことから、人は信仰だけではなく、行な
いによって救われることが、よくわかると思います。
25売春婦ラハブも、その一例です。 彼女はイスラエルの使者たちをかくまい、別の道
から、安全に逃がしてやりました。 この行為によって、彼女は救われたのです。 26
たましいのない体が、もぬけのからであるように、良い行ないをする力のない信仰は死ん
だも同然です。
1愛する皆さん。 人の欠点をあばくのに、やっきになってはいけません。 自分だって、
欠点だらけではありませんか。 たとえば、人よりもすぐれた判断力を持つべき私たち宗
教の教師が、もし悪を行なうなら、ほかの人より、はるかにきびしいさばきが下るのは当
たり前です。
2舌を思いどおりコントロールできる人は、すべての点で、自分を完全に制することがで
きる人です。 3馬を意のままに引き回したい時は、口に、小さなくつわをかけるだけで
よいのです。 4また大きな船も、小さなかじ一つで、どんな嵐の中でも、思いのままに
進路を変えることができます。
5同様に、舌もちっぽけなものですが、使い方を誤ると、途方もなく大きな害を生じます。
小さな火でも、大森林を焼き尽くすのです。 6舌は炎です。 それは悪のかたまりで、
体全体を毒します。 舌には地獄そのものの火が燃えさかり、私たちの人生を、滅びと災
いの炎で包み込むのです。
7人間は、あらゆる獣、鳥、魚、地をはうものをも、思いのままに支配できます。 8し
かし、自分の舌だけは思いどおりにできません。 舌はいつでも、死の毒を吐き出そうと
身構えているのです。 9私たちは、この舌で、ある時は天の父なる神をほめたたえ、ま
たある時は神様に似せて造られた人間をのろいます。 10つまり、祝福とのろいが、同
じ人の口から出ているのです。 愛する皆さん。 こんなことがあっていいでしょうか。
11同じ泉の水が甘くなったり、苦くなったりするでしょうか。 12いちじくの木にオ
リーブの実がなったり、ぶどうの木にいちじくの実がなったりするでしょうか。 もちろ
ん、ありえないことです。 塩水の池から、真水を汲むこともできません。
13たくさんの善行を施している人は、賢い人です。 しかもその善行を鼻にかけなけれ
ば、真の意味での賢さを、身につけていると言えるでしょう。 14もし自分に、苦々し
い思いやねたみや利己心があるとわかれば、決して善人ぶったり、賢さをひけらかしたり
してはいけません。 それは、最もたちの悪いうそをつくことです。 15ねたみや利己
心は、神様からの知恵ではなく、地上のものであり、真理に逆らえとたきつける、悪霊の
ものです。 16ねたみや、野心のうず巻くところには、秩序がなく、あらゆる悪がはび
こっています。
17しかし天からの知恵は、第一に純粋であり、おだやかなやさしさに満ちています。 そ
して、平和を愛し、だれにも礼儀正しくふるまいます。 独善的でなく、人のことばに喜
んで耳を傾けます。 また、思いやりと善意にあふれた態度をとります。 それには真心
がこもっており、単純率直で、誠実さにあふれています。 18ほんとうに平和を願う人
は、平和の種をまいて、善行の実を刈り取るのです。
1あなたがたの口論や争いは、いったい何が原因ですか。 心にうず巻く、悪い欲望から
出たものではありませんか。 2あなたがたときたら、人殺しをしてでも、欲しいものを
手に入れたがります。 うらやんでも手に入れることができないと、力ずくででも取ろう
として、けんかになるのです。 結局、原因は、神様に願い求めることを忘れている点に
あります。 3いくら願い求めても、手に入らない場合は、その目的や動機が、まちがっ
ていると考えなさい。 ともすれば、自分を楽しませるだけのものを求めがちだからです。
4あなたがたは、まるで、夫の敵に媚びるふしだらな妻みたいです。 この世の快楽とい
う、神様の敵と馴れ合うのは、神様を敵に回すことを意味します。 念を押しますが、も
し不信仰なこの世の快楽を第一に求めるなら、神様の友になど、なれっこありません。 5
「神様が私たちのうちに住まわせてくださった聖霊様は、ねたむほどの愛をもって、私た
ちを見守っておられる」と書いてある聖書のことばを、どう理解しているのですか。 6
神様は私たちに、すべての悪い欲望に立ち向かうための強い力を、さらに与えてください
ます。 聖書に約束されているように、神様は、謙そんな者には力をお与えになりますが、
高慢な者は敵視なさるのです。
7ですから、神様の前に謙そんになりなさい。 そして、悪魔に立ち向かいなさい。 悪
魔はしっぽを巻いて逃げるでしょう。 8神様に近づきなさい。 そうすれば、神様も近
づいてくださいます。 罪ある人たちよ。 罪の生活から足を洗いなさい。 純粋で真実
な心の持ち主だと認めていただけるように、神様への思いで、心を満たしなさい。 9悪
いことをした時には、涙を流して、心から悲しみなさい。 笑いを悲しみに、喜びを憂い
に変えなさい。 10こうして、主の前で、自分がいかにつまらない存在か、いやという
ほど思い知らされる時、主はあなたがたを助け起こし、力づけてくださるのです。
11愛する皆さん。 批判や悪口に明け暮れてはいけません。 これが守れないようなら、
「互いに愛し合いなさい」という神様のおきてを踏みにじるだけでなく、恐れ多くも、お
きてのほうがまちがっていると、さばくことになるのです。 あなたがたのなすべきこと
は、おきての良し悪しを決めることではなく、それに従うことです。 12正しくさばく
ことのできる方は、おきてを造られた神様お一人です。 神様だけが、意のままに、私た
ちを救ったり、滅ぼしたりなさるのです。 それなのに、あなたは何の権威によって、人
をさばいたり、批判したりするのですか。
13「今日か明日、あの町に出かけ、一年ぐらい腰をすえて、一もうけしてやろう」とも
くろむ人よ。 よく聞きなさい。 14明日どんなことがわが身に起こるか、どうしてわ
かるでしょう。 あなたがたのいのちは、朝霧のように、はかないものです。 今は見え
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